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【感想】劇場アニメ-王立宇宙軍 オネアミスの翼-

Daisuke

みなさんこんにちは!
今回は10月28日に4Kリマスターでのリバイバル上映が予定されている劇場アニメ王立宇宙軍 オネアミスの翼の感想を書いていこうと思います!

王立宇宙軍 オネアミスの翼の公式ページはこちら

MEMO
  • ガイナックスによるアニメーション作品です。
  • バンダイが初めて製作を手掛けた映画だそうです。
  • 1987年3月14日で劇場公開されました。
  • 監督、脚本は山賀博之氏、キャラクターデザイン、総作画監督を貞本義行氏が務めています。
  • 公開35周年記念で2022年10月28日(金)より、リバイバル上映が予定されています。

Daisuke

スタッフは僕でも知ってる有名人ばかり。当時のガイナックスってすごい会社だったんだなぁ。

『王立宇宙軍 オネアミスの翼』4Kリマスター版 予告編

©BANDAI VISUAL/GAINAX

以前から名前はよく耳にしていたこの作品”オネアミスの翼”。僕はオネアミスの翼が作品のタイトルだと思っていたら、メインタイトルは王立宇宙軍っていう名前だったんですね。

最初に感じた事

作画すげー…
作画やばいですね。どうなったらこの作画の作品が出来上がるんでしょうか…バブル景気の産物なのかな?と思いきやあまり恩恵は受けていないようですし。若いアニメーターたちのガッツだったのかな。いずれにしても素晴らしい絵です。

個人的にはオープニング、エンディングで流れるイメージボードのイラストもめちゃくちゃ好きです。良い絵なんですよね。抽象化とリアルのどちらも絵の中に存在しているんですよ。調べたら大西信之さんという画家の方らしいです。大西氏のサイトから絵を観ることができるので、リンク置いておきます。

大西信之画帖

Daisuke

僕もこんなかっこいいテイストの絵を描けるようになりたいな。

あらすじ

ここでやめたら、俺たちゃ何だ…。俺はまだやるぞ、死んでも上がってみせる!

シロツグ・ラーダット。彼は戦わない軍隊、「王立宇宙軍」の兵士。この30年の歴史を誇る宇宙軍も政府には見放され、今じゃ人間どころか人工衛星すら満足にあげられない。いつの間にやら、宇宙への夢も遠ざかり訓練もさぼり放題のシロツグ。そんなある日、街で神の教えを説くふしぎな少女リイクニに出会ったことでシロツグの運命は変わってしまった。

©BANDAI VISUAL/GAINAX

森本レオさんが声優やっている作品を初めて観た。

すごく良い声なのに、覇気のない気の抜けた感じがめちゃくちゃいいですね。
最近のアニメの声優さんの声って完成されている気がして。
もちろんそれは良い事なんですけど”現実の人”と考えるとちょっと声の明瞭度が高過ぎている気はするんですよね。

森本さんの声は本当に現実に居そうな人っぽくて、会話のやり取りが自然に聞こえます。抑揚のつけ方も良い。なんだか達観した態度のシロツグ・ラーダットのキャラクターによく合ってるなぁと思いました。

ちょいちょい挟んでくるブラックユーモアが秀逸

これがめちゃくちゃこの作品全体の良さを引き立ててる気がするんですよね。
オネアミス王国はどうやら国民の多くが貧困にあえぐ中、なぜか宇宙に人工衛星を打ち上げるという公共事業に莫大な投資をしているという状況のようで、宇宙軍の活動内容からして冗談を言っているような状況ではない時でも、あえて皮肉を言い合っている。という皮肉がたまらなくブラックで良いですね。

持論なんですが、ブラックユーモアって嫌煙されがちですよね。
だから基本的にこれを言い合える人たちって、要するに仲良しなのだ、と僕は思っています。宇宙軍の人たちは上官も含め、なんだかんだ言ってもお互い信頼しあえている仲良しなのだということが感じられる関係性の描き方が良いですね。

宇宙開発事業に投資して国民が貧困にあえぐって状況、国民が不作にあえぐ中アメリカの独立戦争に支援を続けていたフランスのメタファーとかなのかな?

主人公の頑張る理由が不純過ぎて良い(以降ネタバレ注意!)

当初有人の人工衛星を打ち上げる計画では搭乗者が決まっていなかったんですが、街で出会った布教活動を行う少女リイクニから宇宙軍が戦争をしない軍であることを褒められ、舞い上がったきっかけで志願するのですね。

志願した時は”なんと不純な奴なんだ”と思いはしたものの、それでも命も人生も賭けて、成功する補償のないロケットに乗るというのは、大した勇気だなぁと徐々に思うようになりました。

それどころか作品を観てるうちに、命張って頑張る理由は不純くらいでちょうど良いのかもしれないな、と思ってしまいました。

空軍のプロペラ機”第3スチラドゥ”のデザインが素敵

シロツグがパイロットに決まった後、訓練の一環で空軍のプロペラ機に乗るシーンがあるのですが、この時登場する”第3スチラドゥ“が凄く素敵なデザインなのです。
プロペラ機なんですけど、プロペラが後方についてたり、羽が後ろ向きについていたり、特徴的なデザインがめちゃくちゃかっこいいんですね。

あまり飛行機に詳しくないので、単に僕が知らないだけなのかもしれませんが、特徴的なシルエットも含め、多分この作品のオリジナルのデザインですよね?
シロツグが訓練で乗ったのは、複座型の青い機体なのですが、後の方に単座の赤い機体も出てきていて、それもかっこいいんですよね。

※余談ですが、22年10月にプラモが再生産されるらしいですよ。僕もちょっと気になっちゃったんで、リンク置いておきますね。
第3スチラドゥ(複座型)
第3スチラドゥ(単座型)

印象にったシーン

この作品のクライマックスであるロケットの打ち上げシークエンスがですね、とにかく素晴らしいのです。
そこに至るまでの仲間との訓練の日々や、少女リイクニやその妹マナとの関係の変化とか、良いことばかりじゃなくて、自分の不甲斐なさとか、国防総省からの無茶な発射場所の指示とか。いろんな事が起こった後で、ロケットの打ち上げだけは成功させるぞ!って意識がなんかかっこよくて。

ある時シロツグが同僚に”もし自分が悪玉の側の人間だったらどうする?”って問いかけに、同僚は”誰かから必要とされているからそこに存在してる(できている)”と答えるのですが、シロツグはずっと自分の立場の曖昧さに後ろめたさを感じていたんじゃないか思って。
だから目の前にある打ち上げだけは、肯定されることを祈りながらも成功させたいと思っていたのかもしれないです。

それから、打ち上げシークエンスでは隣国の軍がロケットを奪うために攻め込んでくるのですが、その表現が強烈にかっこいいんですね。
戦闘機の空中戦とか、曳光弾の放物線とか、撃墜された戦車の破片が水面に散って波紋ができたり。なんというか、美しいのですね。

最後に

手書きアニメの最高峰と言えそうなこの作品が劇場で観られるのはちょっとしたニュースなんじゃないかなと思って、予習もかねて観てみたわけですが、もしこの記事に行きついて、ちょっとでもこの作品に興味を持ってくれる人がいたらうれしく思います。
リバイバル上映。楽しみですね。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!


P.S. 4Kリマスター版見て参りました!

先週、立川シネマシティさんにて観てきちゃいました!
伝説級の作品を映画で観れたという特別感と、大画面で見るロケットの発射シーンに、ただ感動しました。

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