Daisuke
今回はTVアニメ「イエスタデイをうたって」の感想を書いていこうと思います。
- 動画工房によるアニメーション作品です。
- 2020年4月から「NUMAnimation」という新アニメ枠で放送されました。
- 冬目景氏の同名の原作漫画「イエスタデイをうたって」はシリーズ累計発行部数は140万部を突破しているそうです。(2020年時点)
TVアニメ「イエスタデイをうたって」
©冬目景/集英社・イエスタデイをうたって制作委員会
最初に感じた事
線1本から感じることができる、とても丁寧な作品。
Daisuke
実は僕このアニメ放送当時リアルタイムで観させてもらっていました。
なぜ今になって感想を書くことになったかというと、なかなか僕の語彙力では言い表すことができない良さがあるなと思っていたからです。
“良い”んですよ間違いなく。雰囲気も、アニメの質感や声優さんの演技力、登場人物、エンディングに至るまで。何ならすべてと言ってもいい。
だけど全部良いってなんか雑じゃないですか。だからもう少し具体的に書いていこうと思いました。
あらすじ
大学卒業後、定職には就かずにコンビニでアルバイトをしている
“リクオ”。特に目標もないまま、
将来に対する焦燥感を抱えながら
生きるリクオの前に、
ある日、カラスを連れた
ミステリアスな少女ー“ハル”が現れる。彼女の破天荒な振る舞いに戸惑う中、リクオはかつて憧れていた同級生“榀子”が東京に戻ってきたことを知る。
榀子を昔から知る少年“浪”により、榀子の過去が明らかになり..。緩やかに紡ぎ出される青春群像劇。
©冬目景/集英社・イエスタデイをうたって製作委員会
マチ子
愛とはなんぞや?
この作品のキャッチコピーとなっているこの言葉「愛とはなんぞや?」…ふむ。
これほどまでにシンプルな難問はないですね。我々人類がいまだに解決できずにいる問題の一つと言ってもいいかもしれない。
Daisuke
考え出すとキリがないこのテーマ。というより答えがないとも言える。それでもこのテーマについて真摯に向き合おうともがく人を、僕はとても好きな気がします。
主人公のリクオをはじめ、この作品の登場人物は皆一様に不器用に見えて、少しもどかしく感じつつも、でもゆっくり時間をかけて寄り添ってあげたくなるような、そんな魅力を持った人達だと思います。
余談ですが、魚住 陸生(うおずみ りくお)って名前もなんか矛盾してて良いですよね。魚が住んでる陸を生きている。優しさで無理をしているのか、断れないだけなのか。不思議な魅力がありますね。
オープニングのない作品
この作品を何話か見ていると気が付くかと思うのですが、OPがありません。
最近のアニメでは時々OPのない回があったりするものもあるので、1話単体とかで見ると、とりわけ珍しいかと言われるとそうでもないですが、全話OPなし。
というのは見たことがありません。
OPがあると「さー始まったぞー!」って気分になるのでワクワクはするのですが、そのワクワクがない為、落ち着いた気持ちで見始めることができました。
OPの約1分くらいの尺もアニメのストーリーに割かれていると思うとお得な気分にもなりますね!
マチ子
印象に残ったシーン
この作品で印象に残ったのはですね、scene03-愛とはなんぞや-で、ハルちゃんとの映画デートの予定をリクオが完全にすっぽかしてしまったシーンですね。
Daisuke
しかも今の時代と違って携帯電話がないので、電話ボックスと固定電話でのやり取り&待ち合わせという状況でのすっぽかし。いやー取り返しがつかない!!
事情は理解できるものの、リクオ―!!!って叫びたくなる気持ちでした。笑
エンディングの演出がマジで良い
scene06までのエンディングは、毎回コルクボードの背景に登場人物の私物や写真が並んでいくんですが、置いてある物が毎回違うんですよ。
映画のチケットや体温計、ロウ君のデッサン鉛筆(絵を描く人間としてはステッドラー制というのも胸熱)が置いてあるのですが、
scene06では一気に画面が引いて、登場人物全員の私物が画面いっぱいに並ぶんですよね。泣く。これは泣いてしまう。
あと注意書きが書いていない時代のたばこの箱のデザインも良い。(平成を生きた人間としてはマイルドセブン風の旧デザインも最高に良かったです)
こういう細かい演出もとても良いですね。
アニメのED動画はなかったのですが、歌詞入りの公式MVが公開されていたので貼っておきます。
ユアネス-yourness-「籠の中に鳥」Official Music Video【アニメ「イエスタデイをうたって」主題歌】
©冬目景/集英社・イエスタデイをうたって製作委員会
最後に
この作品は常に間というか、何も音がしていないシーンが多くて、その何も聞こえない時間の中に登場人物の葛藤や戸惑いを感じられる作品でした。
普通、というか僕が普通だと思っている日常では、相手に対いてここまで配慮してくれる人は稀で…現実にいたらきっと疲れてしまうんじゃないかと思うくらい、
いうなればこの優しさを持った人たちの存在自体がファンタジー…と言ってしまうと無粋ではあるものの。
それでもそう思えてしまうくらい、儚くて優しい心を持った人たちの作る世界観に惹かれてしまいました。
皆、幸せになってほしい。
マチ子
というわけで、今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!