みなさんこんにちは!
前回の更新から約半年!間が空きすぎましたが、今回は満を持して公開となった劇場アニメ「鹿の王」の感想を書いていこうと思います!!
昨年から公開延期が続いていたので、ファンは待ち遠しかったのではないでしょうか!
世間が未曾有のパンデミックにさらされている今この時代に公開となるなんて、なんだか不思議な気持ちです。
・プロダクションI.Gによるアニメーション作品です。
・監督を務めたのは「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」、「君の名は。」などでも活躍するトップアニメーターの安藤雅司氏
・2022年2月4日から全国で劇場公開されました。
劇場アニメ「鹿の王」PV
©2021「鹿の王」製作委員会
「鹿の王」を知るきっかけ
僕は以前、同じ「プロダクションI.G」制作の「精霊の守り人」を見たことがきっかけで、原作者の上橋菜穂子さんの作品に興味を持ったのがきっかけです。
なにしろ精霊の守り人の世界観があまりにも素晴らしかったもので、アニメをきっかけにファンになってしまった。という感じです。
その流れで小説「鹿の王」を読んでいたため、映画公開が発表される以前から、作品を知っていました。
最初に感じた事
動植物の描写が美しい!
監督の安藤雅司氏が大自然を舞台にした「もののけ姫」で作画監督をされていた方なので、植物や動物の描写に特にこだわっていることが伝わってきました。
鹿の王には主人公が乗る飛鹿(ピュイカ)をはじめ、野兎、オオカミ、馬など、数多くの動物が出てきます。
その動物たちや自然の植物がとてもリアルに描かれており、まさに「本物の森」に入ったような、そんな気持ちになりました。
作画監督とは?
アニメ関係の情報を見ているとき時々目にするこの作画監督、通称「作監」は、作品の作画工程の監督、つまり作画のクオリティを管理する役割を担っているポジションのことです。
クオリティを管理する立場上、作画能力の高さはもちろん、作品に合った絵の動きや、本作のような動植物が多い場合などはそれらのモチーフをリアルに描くために必要な幅広い知識が必要になる重要なポジションです。話はそれますが、この「鹿の王」の監督を務める安藤雅司氏は冒頭でもお伝えした通り「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」、つまりあのジブリで作監をした経験のある方。というわけです。アニメーターの中の頂点に位置するような方である。ということなのです!
※今敏監督の名作「パプリカ」でも作監、キャラデザを担当されてるんですよ!
あらすじ
かつてツオル帝国は圧倒的な力でアカファ王国に侵攻したが、
突如発生した謎の病・黒狼熱(ミッツァル)によって帝国軍は撤退を余儀なくされた。以降、二国は緩やかな併合関係を保っていたが、アカファ王国はウィルスを身体に宿す山犬を使って
ミッツァルを再び大量発生させることで反乱を企てていた。
ミッツァルが国中で猛威を振るう中、山犬の襲撃を生き延びたヴァンは身寄りのない少女ユナと旅に出るが、
その身に病への抗体を持つ者として、治療薬開発を阻止したいアカファ王国が放った暗殺者サエから命を狙われることになる。
一方、治療薬を作るためヴァンの血を求める医師のホッサルも懸命にヴァンを探していた―― 。
様々な思惑と陰謀が交錯した時、運命が動き始める。
©2021「鹿の王」製作委員会サイトから引用
このあらすじからも漂っていますが、舞台は壮大な自然ではありますが、その舞台の背景には国家間にある深い因縁や、かつて国家の侵攻に利用された謎の病の存在、また、その病に立ち向かう医師など、非常に複雑な要素が絡み合っているのが本作「鹿の王」なのです。
黒狼熱(ミッツァル)って?
この物語の根幹となる存在「黒狼熱(ミッツァル)」について説明したいと思います。漢字で(こくろうねつ)、この鹿の王の世界の呼び名で(ミッツァル)と呼ばれている病ですが、まずなぜこくろうねつ。と呼ばれているかについて、この病の感染源となるの真っ黒な山犬(黒狼)に噛まれることによって発症する病なので、「黒狼熱」と呼ばれています。
噛まれると数日のうちに高熱を出し、必ず死に至ります。
鹿の王登場人物
- ヴァン(堤 真一)
- 物語の主人公。「独角」の頭として東乎瑠(ツオル)を相手に戦い、敗れ、アカファの岩塩鉱で奴隷となった。
黒狼熱(ミッツァル)を持つ山犬に噛まれるが奇跡的に生き延びます。 - ホッサル(竹内涼真)
- 東乎瑠の若き天才医師。
※原作ではもう一人の主人公。 - ユナ(木村日翠)
- ヴァンがアカファの岩塩鉱で拾った身寄りのない少女。ヴァンと同じく、山犬に噛まれたが生き延びます。
- サエ(杏)
- ヴァンに差し向けられた狩人。
- 相関図はこちら
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©2021「鹿の王」製作委員会サイトから引用
映画の感想(ネタばれご注意)!
映画の感想については、動植物の描写がとても美しいのですが、ストーリーやテンポ感については、長編(文庫版小説4冊分)を2時間程度の尺に収めているため、正直ちょっと不完全燃焼感は否めませんでした。気になったところを覚えている限りで原作との違いをリストにしてみます。
- ヴァンとユナの出会いの詳細が異なる。
原作ではユナが母と住んでいる小屋だったが、映画では岩塩鉱のヴァンの檻に変わっていました。 - ミラル、リムエッルなど、ホッサルベースでの人物がいない。
ここはかなり残念でした。致し方ないとはいえ、素晴らしい医療ドラマの要素がほぼない! - 中盤はホッサル、サエ、ヴァンの3人での旅になる。
見どころ・まとめ
僕としては原作の世界観が大好きなので、上記の関係から、上橋菜穂子さんの描くヒューマンドラマが薄く感じてしまう要素が多かったので、残念ではありましたが、
アニメーションの表現部分はとても素晴らしく美しく描かれているので、原作が好きな方はいったん忘れて、別物として楽しめば悪くないのではないか。と思いました。
また、ヴァン役の堤真一さん、ホッサル役の竹内涼真さんの声はもうこのまま声優としてやっていけるのではないかというくらい、声での感情表現が素晴らしく、個人的にはホッサルがすごく好きになりました。素晴らしいです。
主題歌のmiletさんの歌が素敵
milet「One Reason」コラボPV
©2021「鹿の王」製作委員会
最後に
まぁ、色々と気になる部分はありますが、鹿の王が映像化したということは事実なので、ファンとしては喜ばしいことではあります。
なんなら僕の1回目の感覚が実は気のせいだったんじゃないかという気さえするので、もう一度見てきてもよいのではないかと感じているくらいです。
というわけで、ご覧いただきありがとうございました!ではまた!