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【感想/書評】小説-かがみの孤城-

Daisuke

みなさんこんにちは!
今回はアニメの公開が待ち遠しい小説『かがみの孤城』の感想記事です!

かがみの孤城の公式サイト

12月公開予定のアニメ公式サイト

MEMO
  • 作者は辻村 深月
  • 2017年5月よりポプラ社から刊行された小説作品です。
  • 2018年に本屋大賞を受賞しています。
  • 2021年3月時点で、累計発行部数は100万部しています。
  • 2022年12月23日にアニメの全国劇場公開が決定しています。

映画『かがみの孤城』予告編【12月23日(金)全国公開】

©2022「かがみの孤城」製作委員会

ネタバレについて

本記事はなるべくネタバレは無しで書こうと思いますが、内容に多少触れています。
これから作品を読むという方はご注意の上、ご覧ください。

あらすじ

あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋のかがみが光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――

©2017 Poplar Publishing Co., Ltd. All Rights Reserved.

この作品を知ったきっかけ

きっかけは少し珍しくて、いわゆる”ジャケ買い“みたいな感じでした。

かがみの孤城の装画を担当されている”禅之助“さんというイラストレーターさんの絵が以前から好きで、絵のイメージから読みたいと思っていました。

禅之助さんの絵はアカデミックな作風でいて、かといってキャラクターデザインはリアル過ぎず見やすく、塗りは濃い色で筆感を残した油絵のようなタッチで描かれており、絵画的でとても素敵です。
美術館に飾ってあっても、何ら違和感のない品のある作品が多いですね。

また、この作品のほかにも”幻影の戦”という小説の装画も担当されていて、こちらの絵も素敵なので、
どっちを読むか迷ったのですが、かがみの孤城が好評でアニメ化もするようだったので、こちらを選びました。
というわけで、早速感想を書いていきます。

禅之助さんのnoteブログ

最初に感じた事

日常の描写が異様にリアル

不登校になってしまった主人公こころの日常の過ごし方、物事の観察眼、後ろめたさを感じる心理描写等、あまりにも現実的過ぎて僕は思ってしまったのです。
これは”経験したことがある人のリアリティだ…“と。

作者の想像力だけでは補いようのない生々しさがありました。
それだけに、作者の方はどんな思いでこの作品を書き上げたのだろうかと思いながら読みました。

作者さんの強すぎる感受性に心が痛むよ

マチ子

の中の世界という要素

こころが鏡の中に入ると、
鏡は狼の面をかぶった少女のいる城へとつながっており、そこで6名の少年少女と出会い、城の中にある”願いが叶う鍵”を共に探すことになります。
この舞台の城こそが、本作のタイトル”かがみの孤城“というわけです。

作品の1ページ目にもある”孤城”には意味は2通りあります。

  1. ただ一つぽつんと建っている城。
  2. 敵に囲まれて、孤立している城。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

この作品の”孤城は”1と2の意味両方の性質を持ちます。
1つ目は物理的な意味。2つ目は、少年少女が”城に集められた理由“です。

伏線の貼り方が素晴らしい

どうやらこの作者さんのほかの作品でも伏線の貼り方に定評があるようなのですが、
この作品でも同様に、序盤からヒントを散りばめてあるにもかかわらず、伏線を見事に回収してくれるのです。

それも1つや2つだけでなく、小さなものから大きなものまで。
また、児童文学なので伏線は小さい子でも楽しめるよう複雑ではないのにもかかわらず、最後まで読むと思わず「おおー!」と思ってしまうほど綺麗に回収されていきます。

アニメの公開がしみ

この記事を書いた理由に、アニメの公開が楽しみだからという理由もあります。
この作品、登場人物は現実の日本が舞台の学生だからキャラデザも髪色とか派手にできないし、
ロケーションも主にこころの部屋と孤城なので、映像で表現するときどうやってスクリーン映えするように仕上げていくのか結構大変なんじゃないかと思ったのです。
そのため、心象を可視化させたり誇張する形の演出を多めに加えて画面に広がりを持たせることになるとは思うのですが、やりすぎると作品のイメージと違う。って事になってしまうし…

ですが、この作品においては映画を担当される原恵一監督の過去作品を観た事がある身としては安心できます。
かがみの孤城と近しいテーマを扱っていた「カラフル」という作品があり、僕の中ではかなり記憶に残っています。
自殺した少年が人生をやり直しできるチャンスを与えられるという話なのですが、この作品も非常に良いアニメでした。おすすめです。

ち、近しいの…?

どろどろ君

MEMO

原 恵一監督の情報はこちら
原 恵一(はら けいいち、1959年(昭和34年)7月24日 – )は、フリーランスの日本のアニメ監督。群馬県館林市出身。自らが作品を起し、絵コンテや脚本を手がけることが多い。 『クレヨンしんちゃん』の映画や『河童のクゥと夏休み』などでは挿入歌の作詞・作曲も担当することがある。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

youtubeに、こころ役の声優さんをはじめ、原監督のインタビューがアップされていたので載せておきます。
原監督が、作品作りに対する考えを動画の中でお話して下さっています。
『かがみの孤城』が出来るまで【Chapter𝟏:原作&スタッフ】

©2022「かがみの孤城」製作委員会

印象に残ったシーン

まさに、伏線が明らかになっていくシーンですね”狼少女“というこの作品の象徴的キャラクターがミスリードになっているという仕掛けも秀逸だと思います。

まだまだお伝えしたい事はたくさんありますが、この記事はなるべくネタバレを含まない方針なので、ほどほどにこの辺で。

最後に

何しろ作者さんの感受性の高さからくる、観察力の高さや洞察力を感じる作品で、描写の描き方の繊細さは今まで読んだことがないと感じるほどだったように思いました。

社会へ溶け込むのが辛い時、または現在辛いと思っている最中の方にとって、大きな支えになってくれる素敵な作品だと思います。
伏線回収やミスリードなど、作品のクオリティとしても申し分ないですが、何よりも暖かい気持ちになれました。
もしこの記事を読んで少しでも興味を持っていただけた方がいたら幸いです。

というわけで、今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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