【ネタバレ注意】言の葉の庭

今回の記事はこちら劇場アニメ「言の葉の庭」の感想を書いていこうと思います。
・新海誠監督の作品で、公開は2013年となります。
・大ヒットした「君の名は。」の本編にも本作の登場人物が登場します。

アニメの公式ウェブページはこちら

言の葉の庭』 予告篇 “The Garden of Words” Trailer

cMakoto Shinkai / CoMix Wave Films

見ようと思ったきっかけ

きっかけはすごく単純なんですが、アニメが好きな友達に進められたことがきっかけでした。
彼はハッピーエンドな純愛ものというか、心のきれいな人間なので、進めてくれる作品は好感のもてる作品が多い印象があります。

あらすじ

靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は決まって学校をさぼり、公園の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。

ある日、タカオは、ひとり缶ビールを飲む謎めいた年上の女性・ユキノと出会う。
ふたりは約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、次第に心を通わせていく。

居場所を見失ってしまったというユキノに、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作りたいと願うタカオ。
六月の空のように物憂げに揺れ動く、互いの思いをよそに梅雨は明けようとしていた。

cMakoto Shinkai / CoMix Wave Filmsサイトから引用

まず最初に思ったこと

非常にきれい。

新海監督の、ハイライトをより現実の見え方に近づけることで得られている写実的な表現は、まさに雨が降るシーンのためにあるのではないかと思ってしまうくらい雨と相性が良いと思いました。

物語のキーとなる『和歌』

「鳴る神の 少し響みて(とよみて) さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
これは2人が初めてであった日、秋月の事を知っていた事に気がついた雪野が、自分の存在を気付かせるヒントに読んだ和歌です。

訳としては「雷が少し響いて空が曇る。雨も降ってくれないだろうか、そうすればあなたがここに留まってくれるだろうに。」となります。
この和歌が、ストーリーのキーというか、本質的な部分を表しているように思いました。

キャッチコピーについて

“愛”よりも昔、”孤悲”のものがたり

映画のキャッチにあるこの文言ですが、「恋」ではなく、「孤悲」の物語。
孤悲は字のとおりですが、孤り、悲しむという意味があるようです。

日々のストレスでうまく歩けなくなってしまった雪野が、唯一希望を抱くことのできるきっかけとなる秋月。
心労からか、ビールとチョコレート以外味を感じることが出来なくなってしまった雪野が、唯一感じることのできた、秋月が作ってきた弁当の味。

秋月が欲しがっていた靴を作るための方法が描かれた本を渡した時のうれしそうな秋月の顔。

日々を重ねるごとにお互いの存在は、きっとかけがえのないくらい大きなものに変化していったのだと思います。

そしていつしか2人は、朝起きたとき、雨が降っていることを祈っていることに気が付きます。

印象に残っているシーン

2人の生活の背景や年齢を考えると、そんなに簡単に恋するなんてできないですもんね…特に雪野は大人であり教師なので、相手には抱いてはならない感情であることを思うと、とてもつらいですよね。

楽しそうにしている場面は、返って切ない気持ちになります。

この作品の非常に心に残っているシーンがあります。
秋月のからの告白にこたえられなかった雪野。そんな自分が嫌になって、ドアの外へ出て行った秋月を追うため、はだしで外へ駆け出す。
土砂降りの雨のなか、階段の踊り場にてお互いへの感情をぶつけ合うシーン。

秋月「俺が誰かに、何かに憧れたって届きっこない、叶うわけないって、あんたは最初からわかってたんだ!!

だったらちゃんと言ってくれよ。
邪魔だって。ガキは学校に行けって。俺のこと嫌いだって。

あんたは….  あんたは一生ずっとそうやって大事なことは絶対言わないで、自分は関係ないって顔してずっと1人で生きてくんだ!!」

普段おとなしく、あまり感情を出さない秋月が一気に気持ちを爆発させるシーンです。
土砂降りの雨が彼の心情を表しているようで、とにかく切ない。
彼の家庭を思うと、15なりにいろんなものを我慢してきたんだろうな。我慢しなければならなかったんだろうなという思いが巡ります。
彼も雪野に救われていたんだろうなぁと。

そして堰を切ったように泣き出した雪野が秋月に駆け寄り抱きしめる。

雪野「毎朝、毎朝、ちゃんとスーツ着て学校に行こうとしてたの…!

でも怖くて!どうしても行けなくて!

あの場所で私…貴方に救われてたの!」
*************************

いやー。気が付いたら僕は号泣してました。笑
なんだかこのセリフを聞いて、こっちまで救われたような気になりました。まさに土砂降りの雨の中みたいな気持ちを、ほんとは誰よりも感謝しているんだよって気持ちを泣きながら相手に大声でぶつける。

普段多くを言葉に出さない2人が、初めて他人にすべてをさらけ出したのかなぁ…と。
いろんな作品の中で、印象に残るシーンとなりました。

見終わった感想

新海監督の作品は「ほしのこえ」「秒速5センチメートル」「星を追う子ども」「君の名は。」と観ているのですが、個人的には一番好きな作品になったような気がします。

ただ、本編が46分と短いので、ちょっと駆け足な印象があるかもしれません。
そんな人には小説版の言の葉の庭をお勧めします。章ごとに主人公が異なる群像劇のような形での視点で物語が描かれています。

映画では掘り下げられなかった、秋月が靴職人を目指すきっかけとなった事や、雪野が教師を目指した理由。
秋月の兄、母。雪野の元彼の視点の話なんかもあります。そしてラストシーンは映画と異なります。

新海誠氏の多彩さに驚くばかりですが。小説版もおすすめなので気になった方は是非読んでみて頂けたら幸いです。

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