マチ子
Daisuke
今回は劇場アニメ機動戦士ガンダムF91の感想を書いていこうと思います。
- サンライズによるアニメーション作品です。
- “機動戦士ガンダム”の映画化10周年を記念して制作されました。
- 1991年3月16日に松竹系で劇場公開されました。
- 監督は富野由悠季監督、メカニックデザインは大河原邦男氏、キャラクターデザインは安彦良和氏が担当。
Daisuke
『機動戦士ガンダムF91』6/22発売4KリマスターBOX PV
©創通・サンライズ
この作品に出会ったきっかけ
ガンダムF91、実は幾度となく観ている作品でした。
この作品、小さい頃母が知り合いから貰ってきてくれて、家にビデオテープがあったので、何回も観ている…はず。なんですが、5~6歳の時の記憶なのでうっすらとしか覚えていませんでした。
ただ、冒頭の楽しそうな雰囲気から一転して市街地で戦争が始まり民間人が巻き添えになるという、ガンダム作品の中でも屈指の残酷な戦争表現は今でもぼんやり覚えているくらい記憶に残っています。
今回改めて観ようと思ったのは、実をいうとガンダムが好きな割に宇宙世紀含め、シリーズ作品をちゃんと観ていないし、理解できていないなと思いまして。
とりあえず劇場版の作品を観ておこうかなと思ったのでレンタルショップで借りてまいりました。
マチ子
宇宙世紀って何?
機動戦士ガンダムシリーズには大きく分けて宇宙世紀”Universal Century”とそれ以外の作品群があるのです。
いわゆる”ファースト“と呼ばれる機動戦士ガンダムをアニメ版1作目とすると、ファーストから同じ世界の作品が”宇宙世紀“なのです。
※つまり宇宙世紀以外の作品(例えばSEEDとか)は世界が繋がっていないため、その関連作品だけでストーリーが完結されています。
どろどろ君
ガンダムF91のあらすじ
宇宙世紀0123年。月の周辺に新設されたフロンティア・サイドのコロニー、フロンティアIV。その内部にあるフロンティア学園では学園祭が開催され、いつもと変わらぬ平和な一日が過ぎようとしていた。
©創通・サンライズ
連邦軍が腐敗しきってる…(以降ネタバレあり)
あらすじにもある通り、地球から月までの軌道上にあるコロニー”フロンティアⅣ“から始まる話なんですが、僕が小さい頃観た時には全くどこの話とか考えずに観ていたので、改めてF91を観て「このコロニーって月の近くにあったんだ」などと思いました。
この作品を観てまず感じることとして”地球連邦軍“、および地球連邦政府の怠惰が非常に色濃く描かれているのが見て取れました。ガンダム作品を観たことがある方なら説明不要なのですが、地球連邦とはいうなれば地球防衛軍のような存在で、例えば”機動戦士ガンダム”では主人公アムロ・レイと力を合わせ、シャアの所属するジオン軍と対峙した”主人公側”として描かれることの多い軍なのです。
その連邦軍の兵士に、子供を使えば敵MSに攻撃されにくくなるという理由から、さらって盾にしようとする輩がいたのは、さすがに嘘だろとおもいました。
マチ子
対するコスモ貴族主義とは
今回フロンティアⅣを急襲したクロスボーンバンガードですが、創始者は”シャルンスト・ブッホ“という元はジャンク屋で、一代で自社の”ブッホコンツェルン”を大企業に育て上げ、その後、名家だったロナ家の家名を購入。”シャルンスト・ロナ“と名乗り、ジャンク屋時代に民主主義社会に失望していた彼は、高貴な精神と知性を持ったエリートによる社会の創造を目指し、それが息子”マイッツァー・ロナ“の時代となり、やがて”コスモ貴族主義“と呼ばれるようになったそうです。
フランスの貴族の言葉に、”ノブレスオブリージュ(高貴であることの義務)”という言葉がありますが(※上流階級として生まれた人間に課された社会への責任。というような意味合いの言葉です)その理念に近い思想だったのではないかと思います。ここまでは腐敗した連邦とは異なり、高貴で崇高な精神を掲げている主義思想のように思います。
ですが、マイツァーの息子”カロッゾ・ロナ“(セシリーの父の鉄仮面)のエゴによって、バグによる無差別大量殺戮の大義名分にされてしまうわけですね。
※一応カロッゾなりの正義があるらしいですが…
Daisuke
アニメ部分について
人物やモビルスーツ(MS)の描写など、アニメ部分について触れていなかったのでそちらも掘り下げていこうと思います。
- 戦争の描き方が目を覆いたくなるくらいリアル
学園祭中に突然コロニーに攻め込んでくる敵軍。逃げる民間人、うつぶせの死んだ子供。
連邦軍MSの落とした薬莢が頭にあたって死ぬ女性。MSとの戦闘に巻き込まれてあっけなく命を落とす友達アーサー。
数あるガンダム作品の中でも、F91の強襲シーンは屈指の残酷さなのではないかと思いました。
- コロニーに攻め込んでくる敵MSがマジでかっこいい
F91の描写のリアリティから、MSをかっこよいというのは少々不謹慎すら感じるのですが、それでも冒頭の描写のかっこよさときたら…四角い扉をビームサーベルで溶解切断し、数機のMSがコロニーの内部に侵入、その瞬間”機動戦士ガンダムF91″のタイトルロゴが浮かぶという演出。鳥肌物です。 - カタパルトデッキから出撃するMSがクールすぎる
まぁF91に限った話ではないのですが、作画が素敵です。この作品も。特にMSが足ゲタを装着するする動き。やばいです。 - 人物キャラのキャラデザも良い
主役のシーブックやセシリーをはじめ、シーブックと共に逃げる友人やクロスボーンバンガード所属の兵士のキャラデザがめっちゃいいです。
個人的にはセシリーの兄”ドレル・ロナ”が好きですね。貴族と軍人の中間という感じで。ガンダムユニコーンに出てくるアンジェロザウパーに雰囲気が似ていますが、血縁があるのでしょうか??
印象に残ったシーン
まぁ印象的なシーンなんで、多分このアニメを観た多くの方がここを挙げるのではないかと思われますが、とにかくエンディングの入りが素敵すぎるのですね。
ゆっくりフェードインするテーマソング”ETERNAL WIND”と宇宙空間でセシリーを見つけ出したシーブック。抱き合う二人の背景には月を背負ったF91を映しながらサビに差し掛かり”THIS IS ONLY THE BIGINNING”これは序章に過ぎない。のテキスト。
クロスボーンガンダムにつながる系譜を暗示し、クロスボーンバンガードのビームフラッグを掲げ、去ってゆくMS達を映した後にスタッフロールへ。
エンディングの余韻がなんとも美しい。
最後に
劇場版ガンダム作品と言えば、”逆襲のシャア”が挙げられがちですが、僕としては是非ともこのガンダムF91も積極的に推奨していきたい所です。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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