中の人について

【感想】OVA-機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争-

嘘だと言ってよ、バーニィ…

マチ子

Daisuke

みなさんこんにちは!
今回は”機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争“略して”ポケ戦”。ガンダム作品の中では異質中の異質の作品の感想を書いていこうと思います。

異質が故に、一番好きなガンダム作品に挙げる人も少なくない名作です。

 

ポケットの中の戦争の公式サイトはこちら

MEMO
  • サンライズによるアニメーション作品です。
  • 1989年に全6話で発売されました。
  • 冨野監督以外の監督が担当した初めての作品です。
  • 監督は高山文彦監督、メカニック原案を大河原邦男氏、キャラクターデザインは美樹本晴彦氏が担当。
  • 主人公アルの声は、声優の浪川大輔さんが当時12歳の時に担当しています。

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 Blu-rayメモリアルボックス」

©創通・サンライズ

この作品を知ったきっかけ

僕は以前バンドを組んでいたのですが、メンバーそれぞれ趣味が結構違ったけど、唯一ガンダムだけはみんな好きだったんですよね。(懐かしい)
それで、リードギターを担当してくれてたメンバーの一番好きな作品がこの、”ポケ戦“だったんですね。

当時僕はポケ戦をプレステのGジェネレーションというガンダムのゲームで知っていた程度だったので、ハイゴッグとケンプファーがかっこいいって事くらいしか知らなかったんですが、それからだいぶ後になってから思い出すようにしてアニメを観ました。

ある意味思い出の作品なんだね!

どろどろ君

MEMO

時系列的にはいつ?
時系列的には機動戦士ガンダムU.C79、1年戦争がちょうど佳境の時の0079年12月1日~25日(本編は9~25日)の話のようです。

調べたところ、0079年1月3日にジオン独立戦争が勃発し、0080年1月1日に終結。0080年2月18日に終戦条約が締結されています。
12月09日から12月25日までの話なので、終戦の3か月前、なんと約2週間という短い間の出来事だったのですね。

タイトルの”0080″は、一年戦争終結の0080年1月1日から来ていて、
この作品を観終わる頃、タイトルの意味が分かるようになっています。

ポケットの中の戦争のあらすじ

ある日、少年は“戦争”と出会った―

地球連邦軍とジオン公国軍による戦いが熾烈を極める宇宙世紀0079年末期。
連邦軍の開発したニュータイプ専用モビルスーツ・ガンダムNT-1 アレックスを巡る戦いが、宇宙に浮かぶコロニー・サイド6で展開する。惹かれあいながらも、お互いの素性を知らぬまま戦うアレックスの女性テストパイロット・クリス、アレックスを狙うジオン軍の青年パイロット・バーニィ……。
少年アルは彼らの戦いの目撃者となる。

©創通・サンライズ

最初に感じた事

凄くワクワクする!
この作品はなんといっても主人公の小学生アルの視点から描かれているため、
連邦やジオン軍に対する考え方や、街でMSが戦闘を繰り広げようとも、それは悲劇ではなくビッグイベントになるわけですね。
序盤はBGM一つとっても緊張感のあるものではなく、アルの楽しそうな気持ちを表現したような明るい曲が多い為、
子供から見た戦争は、大人の持っている価値観とは大きく異なるということがわかります。

余談ですが、”スタンドバイミー“という映画をご存じでしょうか?
少年4人が、風の噂に聞いた”人の死体”を見に行くという作品なのですが、
僕はこのポケ戦とスタンドバイミーに、同様のワクワクを感じていました。
…ちょっとしたスリルって、ワクワクするんでしょうね…現実的には良くないのはわかるのですが、面白さを感じてしまう気持ちがあります。

サイクロプス隊の強襲作戦がかっこいい(以降ネタバレあり)

僕自身も、戦争は否定的に考えている部分はありつつも、アルと同じように、戦争をしているモビルスーツを”かっこいい”と思っている所はあります。
この作品が始まってすぐの、水泳部隊の連邦軍北極基地強襲シークエンスの描き方がめちゃくちゃかっこよかったです。

容赦なく連邦のMSを制圧していくジオンMS。まさにジオン、容赦がないですね。
僕が好きなMSはハイゴッグ。異形っぽい長い腕のシルエットや目つきの悪いモノアイセンサーが凶悪で素晴らしいです。

強襲時、隊員の一人が戦死したため、欠員を補填するために隊に編入されてきたのが、バーニィことバーナード・ワイズマンなのです。

主人公はごく普通の少年

主人公アルは11歳、ごく普通の小学五年生。

連邦もジオンも関係なく、軍人に対する無垢な憧れを持ち、クラスの友達に見せてもらった連邦の将校バッジに目を輝かせたり、
彼からすれば”戦争”は単なるイベントの一つですし、コロニー内での戦闘よりもテストの結果を親に報告されることの方がよっぽど重たいようでした。

各話の真ん中にカットインするCM用のイラストで、少年のズボンのポケットにトマホークミサイルが詰め込まれている絵が映し出されるのですがまさにアルにとっての浮世離れした戦争というメタファーになっているのが悲しいですね。

また、ガンダムの作品で一般人が主人公の映像作品は、恐らくこの作品だけなのではないかと思います。だいぶ異色です。
ですがその視点が連邦でもジオンでもない、幼い少年の目から見た”青年”と”女性”を、一点の曇りなく映し出している純粋な作品であると思います。
中立国であるサイド6(リボー)が舞台というのも、連邦やジオンではない視点という意味ではうってつけの舞台であったと思います。

アルとバーニィの関係性

アルはいたずらっ子で、ばれないように大人に嘘をついて出し抜くのが上手いのですが、本人は興味本位で探偵ごっこのような事をやっているつもりが、
それらが徐々に積み重なっていき、連邦とジオンにとっての深刻な起爆剤となっていく構成となります。

アルに悪気がないだけに観ているこちらはおいおいもうやめておけよと思うのですが、そんな事お構いなしなのが、
いたずらっ子が”悪餓鬼”と呼ばれる所以なのでしょうね…

バーニィがついた嘘
一方で、バーニィは嘘をつくのが苦手なようです。
しかし、第3話でアルの熱すぎるMSパイロットに対する憧れの眼差しに、バーニィはつい、自分が優秀なパイロットであるというをついてしまうのです。
この時ついた嘘が物語の中で最も重要な意味を担って行くのですが、バーニィのちょっと見栄を張りたい気持ちと、見栄とはいえ、嘘をついてしまったことを後ろめているという人の良さがバーニィが様々な人から愛されている理由ではないかと思います。

バーニィ…

どろどろ君

印象にったシーン

もちろん、ポケ戦のクライマックスシーンはガンダム史に残る名シーンと言っても過言ではないと思います。

ですが、この作品、“大人”が凄くかっこいいんです。
サイクロプス隊隊長、ハーディ・シュタイナー大尉と、そしてジオン軍スパイのチャーリー(バーのマスターと言った方がわかりやすいかもしれません)。

まずは第4話でサイド6のチャーリーとシュタイナー大尉が昼間の公園のベンチで会話をかわすシーン。

作中では1年戦争中の物語となるため、サイクロプス隊の任務も戦争に関連している任務となりますが、ポケ戦の時点の戦況としては明らかに連邦が優勢なことがわかってきた時期となるため、それらを薄々感ずいてるサイクロプス隊の隊長は、無謀な作戦の命令内容からも、もうジオンが負けるであろうことを察しています。
それでも投げ出すことなく、淡々と任務を実行に移していく様は、非常に大人だと感じました。

ジオン軍の命令や、サイクロプス隊の隊員に対しても、決して自分の意見を無理やり通すことなく、
円滑な判断ができる人格者。
ジオン軍に入りたいと言って聞かないアルも、上手く丸め込んで結構重要で危険な役割を任せたりなど、まさにリーダー的大人です。

5話で、死ぬ瞬間にバーニィとかわす会話も大人なのです。
「バーニィ、ガンダムはどうなった?」と聞かれ、”ミーシャが倒しました!”とバーニィ。それを聞いて
「バーニィ、嘘が下手だな」と息絶えます。この人は恐らく、物事の本質をよく見ている人なのでしょう。

それから、作戦が失敗した後、ジオン軍が核を使ってコロニーを落とすことを知ったため、
バーニィに今すぐ逃げるように促すチャーリー。自分はこのままコロニーと共に死ぬつもりで、若いバーニィだけは生かしてやりたいという考えを持てる大人です。

それからクリスも素晴らしい人格の持ち主ですね。
5話でクリスがアルの質問に答えるシーンも印象的でした。

もしも、このコロニーに艦隊が攻めてきたらどうする?

戦うわ。と答えるも、その答えは逃げる事を臆病だというのではなく、1人になるのは耐えられないから。と答えていました。
それは自分本位な理由ではなく、大切な人達を守りたいから。という意志によるものでした。

「戦えばそのために人が死ぬわ、でも戦わなくても死んでいく。
正しいことなんてどこにもない。自分にできることを、するしかないんだわ」

この作品に出てきた大人は、自分の本分を全うできる人だったと思います。
そして最後に、バーニィも。

最後に

自分のやるべきこと。

クリスやバーニィ、それからサイクロプス隊の隊員たち。
この作品の人物たちは、自分のやるべきと思った事と向き合う人たちの姿勢がかっこよかったです。
正しいとか悪いとか、そういう規律ではなく、自分が正しいと思った事を信じる事の大切さを、
アルと一緒に学ばせてもらった気がしました。

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

P.S.大きめのネタバレご注意!
なんと、小説版ではバーニィが生存してるらしい。という噂を聞きました。
僕の中ではあくまで噂にしておきたいので、あえて調べてません。
バー二ィの生存。アニメは悲劇として素晴らしいですが、生存ルートもありですよね。
バーニィが死なない世界戦も見たいよ僕は。読んでみようかな。

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